「経営にデータを活かしたい」
「でもデータを分析するってハードルが高いんじゃないかな」
こう考えたことはありませんか?
「データ分析は敷居が高い」と感じる方や、「データ分析に取り組んでみたけど、うまくいかず挫折した」というケースは非常に多いです。
データを経営に活かすことができない要因の多くは、データ分析の基礎を十分に理解できていないことや、最初から完璧を求めることです。
しかし私の経験上では、最初から統計学を用いた複雑な分析をしなくとも、足し算・引き算・掛け算・割り算の四則演算を使った簡単な分析をするだけでも多くのことが得られますし、完璧なデータを構築できることなんて稀なケースです。
つまり、「分析」なんて言葉を使うから難しく感じるだけで、実は分析なんて簡単なんです。
「データ分析入門」と題したこの記事では、基本概念から始め、データ分析の重要性とビジネスにおける応用方法を詳しく紹介します。
初心者でも理解しやすいように、データ分析の世界を段階的に解説していきますので、あなたのビジネスやキャリアに、データの力を最大限に活用できる足がかりになれば幸いです。
データ分析の基本
そもそも「データ分析」とは何でしょうか?
データ分析とは、データから有意義な情報を抽出し、それに基づいて結論を導き出すプロセスです。
ここで言う「結論」とは、例えば「売上が落ち込んだ原因は何か」や「受注率がこの範囲内に収まっていれば健全だ」や「短期的に見たら変化していないが、長期的に見れば売上は上がっている」などです。
また、これらの結論を導き出すプロセスには以下のようなものがあります。
- データ収集
- 処理
- 分析
- 解釈
データ分析は、前述したような既存のビジネスに役立つのはもちろん、市場の変化を理解し、顧客のニーズに対応し、新たなビジネスチャンスを見つけ出すための重要な手段です。
データ分析の重要性
データを元にした意思決定、いわゆる「データドリブンな経営」は今日の競争の激しいビジネス環境において、企業が成功するためには欠かせない要素です。
「我が社はこの打ち手を採用する。私は長年培った経験と直感を信じる。」というのが通じるのはドラマや漫画の世界だけですね。
もちろん経験則を無下にするつもりはありません。経験則だってビジネスには大事な要素です。
ただ、経験則による判断をする前に、もっとデータ的な、客観的な情報をもとにした判断をしていきましょう。その上でデータでも判断できない段階にきたら経験則を活かして判断しましょう、というお話です。
データ分析の導入は、経営に大きなメリットをもたらします。
例えば、市場のトレンドを理解し、顧客行動を予測し、効率的な戦略を立てることが可能になる、などです。
また、リスクを最小限に抑え、潜在的な問題を早期に特定するためにも、データ分析は極めて重要です。
市場調査、製品開発、顧客サービス、さらには人材管理に至るまで、データ分析はビジネスのあらゆる側面に深く関わっています。
データ分析のプロセス
では具体的にどのようなプロセスでデータ分析を進めていけば良いのでしょうか?
以下に一例を紹介します。
- データ収集:ツールやアンケートなどを使い、必要なデータを集める
- 処理:収集したデータを期間ごとに並べたり、1つのファイルにまとめる、不要なデータを削除するなど
- 分析:処理したデータから傾向や相関性があるかを探す
- 解釈:どのような事象が発見した数値上の傾向や相関性をもたらしているのか、もしくは数値上の変化がどのような事象をもたらしているのかを推察する
データ分析の基本的なプロセスを記述しましたが、「どんな結論を導き出すためにデータ分析をするのか」によってプロセスは変化します。
あくまで基本的なプロセスの一例だと認識してください。
データ分析ツール
データ分析にはさまざまなツールが利用されます。
ツールには大きく分けて、以下の2つの役割があります。
- データを可視化する
- データを加工・集計する
私がオススメするデータ分析ツールはExcelなどのスプレッドシートツールです。
基本的にほとんどの会社が販売されているBIツールなど不要で、Excelさえあれば十分と考えています。
もし、より大規模なデータの取り扱いや、機械学習・予測モデルの構築など、高度なことをしたいと思うのであれば、状況に応じてSQL、Python、R言語などを使うといいでしょう。
ツールの面で最も気をつけていただきたいのが、TableauやPower BIなどのようなBIツールです。
色んな会社が色んなBIツールを「簡単に使える、簡単に分析ができる」と謳って販売していますが、データ分析に最も大事なのは「日常的にデータを見る、見て判断する」ということです。
日常的にデータをチェックする習慣がないのに、いきなりBIツールを導入し、導入したのにほとんど使わない…なんていうケースはよく聞く話です。
まずは少額投資で済むExcelなどのスプレッドシートを使ってデータを可視化し、日常的にチェックをする習慣を作るところからはじめましょう。
BIツールの導入を検討するのはそれからでも遅くはありません。
ビジネスでのデータ分析の応用
ビジネスにおけるデータ分析の応用は多岐にわたります。
顧客満足度の向上、コスト削減、収益の増加、市場の新たな機会の発見など、データを基にした戦略は、企業が市場で競争優位を築くのに役立ちます。データ分析によって、顧客の行動や嗜好をより深く理解し、パーソナライズされたサービスや製品を提供することが可能になります。
身近な例で言えばYouTubeですね。
YouTubeはGoogleが収集したユーザーの行動から「この人、こういう動画好きだろうな〜」と判断した動画をオススメ動画として表示してきます。
このように、Googleは顧客の属性や行動の分析を徹底的に行い、分析から得られた発見やアイディアを活かしてユーザー体験を向上させてきたからこそ、現在では世界的な企業となることができたのでしょう。
もちろんデータ分析は顧客へのアプローチのみに有効というわけではありません。社内の業務効率を可視化・分析をすることができれば、より良い業務プロセスの構築にも役立つでしょう。
まとめ
データ分析の概要について大まかに紹介していきました。
データ分析は、現代のビジネスにおいて不可欠なものになっており、企業が事業を継続・成長させることができるか否かはデータをもとにした経営ができているかにかかっていると言っても過言ではありません。
ビジネスの世界ではデータ分析やデータサイエンスといった、ちょっとハードルが高そうな言葉が飛び交っていますが、実はそんなに難しいことをしてなかったりします。
まずは売上やアポイント率を可視化するとか、可視化したデータを毎日見るとか。本当に簡単なところから進めてみてください。